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Channel: 遼東の豕
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松岡正剛さん

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 編集者で著述家の松岡正剛さんの訃報が新聞紙面に載った。肺炎で亡くなられたという。享年80歳というのは現代では少し早いような気がする。

《著述家 松岡正剛さん死去 80歳「編集工学」の方法論など》

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240821/k10014554881000.html

 松岡さんの『松岡正剛千夜千冊』(求龍堂)は全巻棚に揃っている。平成18年に発売されると同時に購入した。全8巻で10万円でした。それでも素晴らしい書評集だったから、座右に置いて楽しませていただきました。その他にも『知の編集工学』(朝日文庫)、『知の編集術』(講談社現代新書)、『多読術』(ちくまプリマ―新書)など30冊くらいが書庫に並ぶ。

 平成30年に購入した作家の佐藤優さんとの共著『読む力』(中公新書ラクレ)が最後になった。この本は松岡さんと佐藤さんの対談で進められ、折々に「現代の羅針盤となる150冊」が紹介されている。勢い込んでそのリストを見て言ったのだが、まともに読んだものは30冊に満たなかった。残りの120冊は未踏峰ということで、本の世界というのは高すぎるし、深すぎる。あらためて読書家の皆さんには敬意を表すとともに、我々のような普通の読書人に『千夜千冊』などで、読書案内をしていただいたことを感謝したい。

 1か月100冊を読破した立花隆さん、その人を目標にし追い越すためには100冊以上の本を読まなければと決意し実行した日垣隆さん、そして松岡正剛さんなど、本を読むトップリーダーたちが、尻を叩いてくれるので、なんとか読書・活字に親しんでこれた。

 定例の読書会は来週ある。課題図書は、『岡潔対談集』(朝日文庫)である。松岡さんは第947話で岡潔の『春宵十話』を取り上げていて、これがきっかけとなって岡潔にはまった。それでもまだ10冊に満たない本しか所蔵していないので、まだまだ頂は遠い。

 松岡さんのご冥福をお祈りしつつ、久し振りに『千夜千冊』など、松岡さんの本をひろげてみよう。

『読む力』の帯から。

《本はコストパフォーマンスもいいし、折ったり、赤線を引いたりしながら読めます。ダブルページ(見開き)単位で内容を追っていけるのもいい。》

《「本は汚く読め」に賛成。僕も「本はノートにしろ」と言っている。》

 けだし名言なり。


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