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Channel: 遼東の豕
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政治を考える

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 東日本大震災の1か月ほど前、平成23年2月初めに愛知県に激震がはしった。地震ではない。愛知県知事選挙が実施され、自民党の推していた重徳和彦候補が、減税日本公明党が推していた大村秀章候補に100万票の差をつけられて敗北した。この時に大村陣営で活躍したのが、後に名古屋市長になる河村衆議院議員だった。

 河村氏、名古屋市長として市民減税を断固として行い、時折おっちょこちょいなところが顔を見せるが、政策の判断自体はおおむね誤らない。ただ人を見る目がやや甘いか。それはジャーナリストの有本香さんも言っていることで、「人をすぐに信用してしまい騙されてしまう、人の好さが欠点」らしい。

 ここを大村候補に付け込まれた。知事戦初戦で利用され河村氏は、大村候補のために獅子奮迅の活躍をした。その結果、自民党を敵に回して100万の差をつける圧倒的な勝利を得る。

 その後、大村知事は大恩ある河村氏と袂(たもと)を分かち、独自のポピュリズムの県政に陥っていく。

 敗北した重徳氏のほうは総務省を辞しているので、野に下るしかなかった。しかし子供の頃から政治家を目指していたから、次の手段を講じて、国政へと打って出た。その後、政界でのドロドロとか紆余曲折、魑魅魍魎の世界で、何とか生き残ってきて現在にいたっている。

 それこそ知事選に出る何年も前から、愛知県内で開催されたセミナーで何度かご一緒させてもらったが、「道州制」「靖国参拝」「憲法改正」を是としていた重徳氏が知事になっていれば、愛知県はもっとおもしろくなっていただろう。

 日本を見ていた重徳氏は知事席に座っても、長々とそこに居座るようなことはしなかったはずだ。2期8年、ある程度の目途さえつけば、すぐに中央から声が掛って国政へ転身していただろう。

 国レベルでは相手にされなかったので、地方に流れてきてお笑いコンビを利用して席を手に入れたトンズラーとは器が違っている。

 しかし運命というものは過酷だ。知事選で敗北してから大きな迂回を余儀なくされ、今は立憲共産党と揶揄される野党に籍を置くことなってしまった。

 でもね、期待もある。立憲の野田新執行部に重徳氏が政調会長として名を連ねていることである。さらに共産党と近いバリバリ左翼の枝野系からはお飾り職の代表代行に辻本氏と長妻氏を入れたのみで、かなり保守色の強い新体制となっている。

 ここで重徳氏には頑張ってもらって、あるいは共産色の強いメンバーと分離して、国民民主党との合併もありではないか?

 自民党の時代は安倍晋三さんの死とともに終焉した。自民党を除名された知事を、県連は支援し、さらに県内の国会議員、地方議員まで除名の過去などなかったかのように媚びを売るような状況になっている。

 今の政治、国政も県政も、筋というものが通っていない。政治家の矜持というものが感じられないんです。

 自民党は「石破・小泉・高市氏が軸」

https://news.yahoo.co.jp/articles/86a0a2e8a7172f55e505c42ba62aefcf06ca1363

 これは高市氏しかないと思っているが、万一石破氏、小泉氏の目があるとするなら、是非とも野田新体制で臨戦態勢をつくっていくべきだろう。

 底辺から腐っている日本の政治を総替えするくらいの意気込みがなければ、この先の日本は安穏としてはいられない。


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